あいらぶゆー2
…はぁ。


怖くはなかった。ただ、あんなヤツに負けるのだけは嫌だ。


何でアイツの喫煙の処分が私のせいになってたの?ただの言いがかり?


まさか…。誰かが、私をハメようとしてる?


カタン


静寂に包まれた、体育館の中に冷たい音が響いた。


裏口を見ると、朱兎が男を片付けて戻って来た様子だった。


「だいじょぶ?」


「うん…」


近くまで来た朱兎に、手を貸してもらって立ち上がる。


「何で一人で体育館なんか来たんだよ。もしオレが来なかったら今頃…」


「あ~もう。やめて、その話は。タバコ吸いに来ただけじゃん」


「あっそ…。それにしても、亜沙美はこえぇな。勃たなくしてやるって、オレまで萎えそうだったけど」


朱兎は、目を細めてまた楽しそうに笑う。
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