あいらぶゆー2
愛斗は私の態度に違和感を覚えたのか、私の前まで自分のイスを動かしてくる。


「…ない。何もないから」


「…そっか。じゃあ聞かねー」


私は黙って、愛斗のパンツのポケットに手を伸ばした。


「コラ。何やってんの?オマエ」


「煙草持ってんでしょ?ちょうだい」


「…オマエ、ココで吸う気?」


愛斗は呆れた顔して私を見る。


しかも怒る所、ソコじゃないし。


「何よ。仕事中にそんなの持ち歩く方が悪いんじゃん。じゃ、外で吸うから」


しょーがねぇな…とか言いながら、愛斗は部屋の入口を小さく開け、店内を覗いた。



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