あいらぶゆー2
キョロキョロ店内を見回すと、誰かを見つけ手招きしてる。


入口の向こうに誰かいるみたい。


愛斗は扉から顔だけ出して、ちょっと今から数分いなくなるから誰も入らないよう見てて…と言っていた。


そうだよね。予約時間に客も愛斗もいなくなってたら、スタッフが驚くよね。


「はぁ~い…」


扉の向こうに、いるのは女性スタッフみたいだった。顔は見えないけど、ちょっと甘えたような、かわいい声。


最近はVIPルームにしか入らないから、スタッフの顔が全然分からない。


今日私を出迎えてくれた光さんは、ここではまぁ長い方だから、知ってるけど…。


「花柳さん、次の予約まであと20分ですからね。ちゃんと帰って来て下さいよ?」


「分かってるって。オマエもちゃんと仕事しろよ?」


「もちろんです!じゃ、持ち場戻りまぁす」


甘い声の持ち主は、愛斗が扉を閉める瞬間、隙間から、私を見つけた。


…彼女は、まさにそういう表情をしていた。
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