あいらぶゆー2
見上げるほどに背丈のある、一人の生徒だった。


制服が黒い分、やたらと圧迫感がある。


だいぶ制服着崩してるし…三年?


私がチラッとそんな事を考えながら、道を譲ると


「あれぇ、桜谷センセーじゃん」


って、目の前の子が人懐っこい笑みを浮かべる。


「そーだけど…あ、ごめん。私、赴任して来たばかりで、まだ全員の顔と名前覚えてないんだ。…うちのクラスの子?」


私の事知ってるっていうし…、一年生なんだ?!


顔は一年生にも見えなくもないけど、このこなれた雰囲気や、服装がどうも邪魔して、一年生とは思いがたい…。


そう思ってたのが見抜かれたのか。


「オレ、一年に見える?それと、知らなくても適当にかわしとかなきゃ…


センセー。そんな真面目だと、ココじゃ務まんないよ?」
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