あいらぶゆー2
「あは…そうだね」


何だろう、この子…。


「センセー、入学式の時遅刻したんだって?やるなぁ」


彼は私を通せん坊するかのように、開いた扉のど真ん中に立ち、手を縁にかけ動こうとしない。


「わざと…じゃないんだけどね?」


「ははっ、わざとだったら最高!オレ、センセーの言う事…何でも聞いちゃうよ?」


そう言って私の肩に手を置き、ニヤリと笑う。


色気のある瞳が印象的で、生徒ながら一瞬ゾクッとさせられる。


「ちょっと、先生をからかわないのっ!ほら、さっさと教室帰りなさい。昼休みもう終わるから」


彼の袖を掴んで、扉から引き剥がす。


「はは、聞いてた通り。気が強いんか、恐いもの知らず、か?…バカ?」
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