王子様はイジワル転校生!
私の頬に当てられてる手は、少し震えてて、


真っすぐ私を見つめる目は、ただ心配そうで、話して欲しそうで…


こんな、工藤君、初めて見た…。



私……こんなにも、工藤君に思われていたなんて…。


凄く嬉しいな…。


今までで、一番、本当に…嬉しい…。



「……ありがとう、工藤君…」



でも、聞きたくなかった…――。


私は工藤君の手首に手を当てる。



「……でも、本当に何もなくて、ただ……」



工藤君の手首を掴んで下ろしていきながら、どんどん目が見開かれていく工藤君に私は話した。


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