王子様はイジワル転校生!

試合終了後

「アイツ、いつ出てくるか解らないよ?」


「大丈夫!デート!楽しんできてね〜!」




――そう、朱里と霧島君に手を振ってバイバイしてからもう少しで、1時間……。


私は、サッカー部の部室から2つ離れた陸上部の部室の前で、しゃがんで工藤君を待っている。


でも、あと30分でも1時間でも2時間でも平気。


連絡が来なくても、今、部室の中に居て、悔しさと戦ってるのが良く解るから…。


工藤君は、人一倍、負けず嫌いで、その表情も余り見せたくないんだと思う…。


今日もそれを物語るように、頭にタオルを掛けてグラウンドを去っていった。


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