蒼い太陽
「鍵開いてんじゃん。」


ユウを見ると、ユウはベッドに腰掛けて本を読んでいた。


長い漆黒の髪が本にかかっている。


邪魔じゃないのかといつも思う。


「…ドアは返事が返ってきてから開けてよ。」


本から目線をはずすことなくポツリとそう言った。


「いきなり開けるよりはマシだろ?」


「…報告はどうだった?」


「お前、ちゃんと大広間に顔出せよ。ユウは寝てたってミシャが言ってたぞ。」

「眠かったんだよ。それに…報告聞くためだけに大広間まで行くの面倒だし。


…アヤトが絶対教えに来てくれるし…。」


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