蒼い太陽

*2*

ミシャが去ってから、フィリシアはゆっくりと身体を起こした。


静寂がフィリシアを包み込む。


辺りにはミシャが放出した闇族の気配が濃厚に残っていた。


「月が無いと…私は消える?」


月族の皆は知っていただろうか。


月が闇に飲まれ、魔力が補充出来なくなってしまった。


この状態が長く続けば、恐らくは命に関わるだろうと。


…そうだ、族長は?


族長は知っていたのだろうか。


月族の、族長は…?


「キュイッ」


ぽんっと、フィリシアの頭の上にふわふわした生き物が飛び乗る。


「キュイキュイ…私の後を着いてきてたの?」


そっと手を頭に伸ばし、キュイキュイを頭から降ろす。


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