優しい悪魔−マキコと和夫−

ある日、部屋の掃除をしていると、和夫の荷物から何かが落ちた。

見ると、和夫が飲んでた睡眠薬だ。

(あれ?
どこかで見た事がある。)

しばらくして、ハッとした。

スキー場の貸別荘から帰る時に、掃除して空っぽになったハズのゴミ箱に、何か入っていた。

この薬の、空のシートだ。
あの時の記憶が蘇えってきた。

(初めからそのつもりで……。)

マキコはカーッとなった。

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