優しい悪魔−マキコと和夫−

「マキコ。お前、オレに死んでほしいのか?」

和夫の声はかすれていた。
しばらく二人とも、静かになる。

すると和夫は、いきなり飲もうとした。

マキコは、コップを必死につかんでいる。

「マキコ!
オレに死んでほしいんだろう?
死んでやるよ。今、ここで。」

和夫はマキコという、
生きていく為の最後の命の綱が切れたと思った。

なら、マキコの前で死んでやる。


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