優しい悪魔−マキコと和夫−

涙が出た。

どうしょうもない、
どうしょうもないのだ。

マキコは決めた。

葬式の後“和夫はすぐにでも結婚したい”と言った。

マキコが結婚に同意してくれたので、和夫は上機嫌だ。

そして婚姻届に二人の名前を書いて、役所に出すという前日。

マキコは一枚の紙を婚姻届より先に、コタツに座っている和夫の前に出して言った。

「先に、これを書いて。」


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