狐と兎
「着替えた……?」


ハルトが少しは落ち着いた事に喜ぶと思いきや、

キルシュの第一声はそれでした。ハルトは気付けば白に近い水色の寝巻を着ていたのです。


「汗かいたままの恰好じゃ気分も悪いだろう?
キルシュは女の子だから、恥ずかしいと思ってね」


さっきのはそれの意味も含んでいたんだ、とキルシュは妙に納得をしました。


「で、ハルトはもう大丈夫なんだよね?」
「まあ……ね。とりあえずは」


ハルトの恰好に対する疑問が解けたところで、

キルシュはハルトの体調について改めてオルヒデに問いかけました。

オルヒデは何処か落ち着かないのか複雑そうな様子で、明らかに挙動不審でした。
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