狐と兎
そんな様子にキルシュが気付かない筈がありませんでした。

キルシュはオルヒデが何かを隠していると判断し、問い詰めます。


「何? ハルトは無事じゃないの!? そうだって言いたいの?」
「別にそこまで言っていないじゃないか」
「ならなんではっきり断言しないの? オルヒデ叔父さん明らかにおかしいよ!」


キルシュはムキになって大声になっていました。

オルヒデは話を反らすかのように、キルシュに言います。


「キルシュの彼氏って彼だったんだね。驚いたよ」
「反らさないで! はっきり答えてよ!」
「……だったら言わせてもらおう。この場所が何処か分かるよね?」


オルヒデのその言葉にキルシュは少し考え、そして“……あ”と言葉を漏らしました。
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