狐と兎
「そんなのって……! 何それ……」


それを聞いたキルシュは青ざめました。

自分が呪われた経緯を初めて知ったのか、ハルトもまたやや驚いた様子でした。


「あれ? って事は、周りの人達が呪いの事を知っていたのって……」
「それがワシの孫だったから。というか、今その疑問を解決するなんて相当混乱しているようだのう……」


“混乱していなければ、今の話と無関係な事を口にしない”と付け加えてカトラは言いました。

キルシュはその言葉を否定する事は出来ませんでした。


「ジジ様……」
「ワシの行為がハルトを傷つけてしまった。すまぬ」
「おじいちゃんは全く悪くない!」


ハルトに謝罪するカトラをキルシュは怒鳴りつけていました。
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