メイド in LOVE




私が黙ってしまい
部屋の中を沈黙が支配した


そんな中…
不意にレオン様が口を開いた。


「…カイル
さっきお前は俺を
女嫌いと言ったが
それは違うぞ。」


「何が違うのでしょうか?」


「俺はあっちから
勝手にやってくる女が
嫌いなだけで
女自体が嫌いなわけじゃない。

むしろ好きだ。
あのような美人な女は
特に、な(笑)」


「それは…良かったです。
レオン様の回りに
余りにも女の匂いが
しないもんだから
レオン様は男色家なのか
と噂されていたんですよ?」


クスクス笑いながら
教えてあげると


「何?!そうだったのか
それは、嫌な噂だな……」


眉間に皺を寄せて
あからさまに嫌な顔をした。

良かった。
どうやら噂は嘘だったらしい。




「…まぁ、良い。
人の噂もなんとやらだ。

そんな訳で…、
リザは俺の興味を引く
特別な存在だ。
メイドとして
家の仕事をさせるが
優しく接してやれ。良いな?」


「はい。かしこまりました」


レオン様の命令は絶対だ。
私の考えなど挟む余地は無い。


今回は出過ぎた真似だったかもしれない。



そう思いながら
部屋を後にしようとすると


「…カイル!」


レオン様に呼び止められた。





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