メイド in LOVE


逆に言えば"女"は
めんどくさかった。


俺の顔を見ては
キャーキャー叫んで
近寄ってくるし


俺の素性が分かれば
嘘を塗り固めたような笑顔で
取り入ろうと誘惑してくる。


構わないと
「本当に私のこと好き?」
とか聞いてくるし


仕事をしていると
「仕事と私、どっちが大切なの?」
と詰め寄ってくる。


俺の女になったつもりで、だ。



俺が金持ちだからと
高い物が欲しいとねだり


俺が社長だからと
将来の妻になろうと近づく


女はみんな
俺の持っているものしか
見ようとしない。





"俺"自身を見ようとはしない。




だから、女遊びは止めた。


心が苦しくなるだけだったから





その代わり、投資を始めた。


世界各地を飛び回るとき
見つけるダイヤの原石に
対する"投資"だ。


才能はあるのに
金が無いから
スポットライトを
浴びれない彼らを
育てることは
まぁまぁ、楽しかった。


だが


それでも、俺の「退屈」は
全く埋まらない。


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