メイド in LOVE



「私に頼みたい仕事って
いったい何でしょうか?」


「着いてこれば分かる。」


カイルさんは
簡潔にそう言うと
スタスタと早足で
歩き出した。


「……は、はい!」

私は慌ててカイルさんの
背中を追った。


カイルさんは大股で
歩いているので
私は小走りで
ついて行かなければならない。


せわしなく足を動かしながら
私は目の前の人のことを
考えていた。


カイル・ヘーデル(26)

その若さにも関わらず
執事やメイドを統べる長の
役目を担い、さらに
主人の秘書も努める。

レオンには敵わないが
麗しい美貌も
持ち合わせている。


彼は、仕事には
人一倍厳しいが
主人を慕い
レオンの未来を
何よりも心配している。


そして、突然現れた私を
要注意人物だと思い
警戒している、と思っていた。

だから、何故
私に自分から直接
仕事を頼むのか
理解出来なかったのだ。




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