* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「心配してくれたのか?」
すっかり穏やかな表情になった柏原の目が、じっと私を見据える。
「だ、誰が心配なんか!病気で弱ってるって聞いたから、冷やかしてやろうと思っただけだから。」
柏原の表情に意表を突かれて、動揺する心が悟られないように、ついつい喧嘩腰になってしまう。
柏原の顔が、少し寂しそうに曇った。
どうして、そんな顔をするの?
心臓のリズムが、音をたてて加速する。
やきもきして、イライラする私。
「元気そうで残念。ほな、さいなら!」
決して、私は関西人ではありませんが、
そう言い残して、ぽかんと口を開ける柏原をよそに、ドアを閉めた。