EBE-地球外生命体-
その他にも、僕らは幾つかの技術を地球人に教えた。

効率的なハイブリットエンジンの作り方とか。

光学迷彩技術とか。

もっとも光学迷彩技術は、元々僕の惑星に住む野生動物を脅えさせず観察する為に作られたものだった。

それを地球では軍事転用しようとしている。

戦争らしい戦争をした事がない僕達にとって、それは驚愕に値した。

「地球人はどうして戦争ばかり繰り返すんだい?理解に苦しむ…」

僕はコーヒーを口にする。

「そりゃあ理由は色々さ。領土、宗教、民族、思想…」

ハワードの言うそれは、僕にとってはどれも殺し合いをするほどの理由には思えなかった。

誰がどんな思想を持っていてもいいじゃないか。

誰がどこの生まれだっていいじゃないか。

領土?

国境なんて決めるから喧嘩になる。

土地も資源も、みんなで分け合って使えばいいじゃないか。

どうして地球人って、こんなに野蛮な種族なんだろう。


< 24 / 111 >

この作品をシェア

pagetop