EBE-地球外生命体-
待合室のところで、看護師のシンディ・ピーペリーから精神安定剤の入った小さな紙袋を受け取る。

「元気出してね、グレイ君」

心配そうに僕を見つめる彼女。

身長が低い僕を、彼女はそう呼んでいつも子供扱いする。

まぁ実年齢も17歳くらいの僕は、彼女よりも幾らか年下だ。

子供扱いなのは間違いではないのだけれど。

「そうだ、今度DVDでも貸してあげようか?私の弟がよく見ていた日本の子供向け番組でね。君と同じ異星人が、地球人を守る為に怪獣達と戦うってストーリーなの。こう、ビームをビーッ!とか出して」

手をクロスさせてポーズを決めるシンディ。

やっぱり子供扱いだ。

「いえ…お気持ちだけ受け取っておきます」

僕はこの時、『苦笑い』というものができるようになった。


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