プラネタリウム ―流れ星に願う叶わぬ願い―

5日目 ―プラネタリウム―

次の日。


音菜は目覚めるとすぐにキッチンへと向かった。






誰も起きてこない時間帯、キッチンに良い匂いが充満していく。






「おはよう音菜。早いね」





その匂いに誘われてか勇二が起きてきた。




「おはよう。みんなは?」
「まだ寝てるよ。昨日夜遅くまで飲んでたみたいだし」
「そうなんだ。……食べる?」
「うん」





簡単な料理だけど、幸せを感じる。
まるで新婚夫婦みたいに。






「幸せだな」
「え?」
「温かい料理に音菜とご飯を食べてる」
「うん。私も」
「本当か?」
「本当だよ。今まで一番幸せな日々だよ」





そんな会話をしてると勇一が起きてきた。





「お、うまそーじゃん。これ、音菜ちゃんが作ったの?」
「はい。食べますか?」
「あるの!?」
「はい。どうぞ」




勇一の前にも同じ物を置く。





「いただきます」
「どうですか?」
「うん。美味しい」
「良かったです」


< 113 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop