プラネタリウム ―流れ星に願う叶わぬ願い―
観覧車を降りると、優香の家に向かった。

「お帰り。優香」
「ただいま。連と勇二と友達の音菜も一緒だよ」
「いらっしゃい。勇二くん、久しぶりだね。音菜ちゃんもよろしくね」
「はい」


勇二の家とは違い、父母共にいる優香の家。そんな当たり前のことが、音菜にとっては初めて見る光景であった。



笑顔で母親と話を交わす優香。明るく、温かい家庭を求めていた音菜にとって、まさに理想的な家庭であった。









「お母さんと仲良いんだね」


何気なく口にした一言。

だけど、その一言で音菜はずっと心に秘めていた思いを打ち明けた。












人を信じることやめたはずの音菜が
再び、人を信じるようになるきっかけでもあった。








そして、勇二に対しても、憧れの『恋』ではなく、『愛』という感情をもった瞬間でもあった。
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