素直な気持ちを...

「こっちに来るけど」




顔を上げると
彼方と目が合った。





「茉柚の彼氏?」
「…そうですけど」





彼方の瞳は変わってなかった。



深い瞳で…
真っ直ぐだ。





「け、慧くん行こ?」
「あ、うん」





あたしは慧くんの手を引いた。





慧くんは戸惑いながら
あたしの手を強く握った。






「茉柚」
「ん?」
「…あの人がスキ?」




あたしは返事に戸惑った。





答えが見つからない。