この手で紡ぐ神の欠片
*
「やぁ、詠人少年」
タイミングを見て、
私は姿を現し彼に声を掛けた。
彼は振り向いて、笑顔を浮かべた。
眼鏡の奥の瞳が、細められる。
「珠輝、綺麗になったね」
「…数十分前学校で会っただろうが」
不愉快に、私は詠人の頬を引っ張った。
「いひゃいひょ」
私が意地悪をしているというのに
笑っていやがる。
苛々、する。
そんな感情を、隠せるか。
「――菜生と、帰った…」
手を離して
小さな声で私は言った。
「ん?」
詠人が言った。
「―――っ!」
あぁ、もう。
私は顔を赤くして
詠人に背を向けた。
ここは詠人の自宅前。
先程菜生と別れたばかりの詠人。
私は2人をつけてきて
菜生の姿が見えなくなると
姿を現したのだ。