この手で紡ぐ神の欠片
*
それは本当に、自然にだった。
考えるよりも口をつくのが先だった。
生まれてすぐに呼吸をするような感覚。
「〈神を壊し、私が神となろう、北欧神話を織り、神話を紡ごう〉」
自然に溢れ出した〈神唄〉。
「―――…フェンリル」
白い本をフェンリルのページまで冬の風が運ぶ。
光。
小さな光を風が包む。
それは形づくられ
だんだんと大きくなっていく。
そして、それは一瞬で。
光が。
ガァアアァアァアァァアッッ!!!!
耳を破るような、獣の叫び声がした。