この手で紡ぐ神の欠片



「神話を紡ぐ“力”サ」

「…神なんていない。神話なんて」

「だから人間は無知なのサ」

カラスが嘆くように言った。

私はさすがに痺れを切らし
もう良いか?と聞いて
自分の足元を見た。
しばらくの間が空いて

「これを、やるサ」

そう言うとカラスが
私の肩から離れ
空中を旋回した。

黒く、弧を描く。

そして、私の

足元で

バサッ

と音がした。



< 5 / 268 >

この作品をシェア

pagetop