この手で紡ぐ神の欠片
*
「珠輝、一緒に帰らないか」
放課後、
私をそう誘ったのは、
菜生でもなく、
女子の友人でもなく、
詠人だった。
「他の女の子は良いわけ?」
私はマフラーをまきながら
彼に尋ねた。
「明日と明後日はもう埋まってるから」
彼はにっこりと笑った。
はぁ、と私は溜め息を吐くと
「じゃあ、帰ろう」
そう言った。
当たり前のように、
詠人は返事をして
私たちは一緒に帰ることになった。