この手で紡ぐ神の欠片
私たちは並んで帰った。
周りから見れば、
カップルに見えるかも…。
いや、そんなことは…!
「珠輝どうしたわけ?」
心の中の葛藤が
顔に現れていたのか、
詠人が私の顔を覗き込んだ。
「なっ、何もぉお~」
はっ、として私は表情を変えた…つもり。
「可愛い」
私を見て
詠人が目を細めた。
「うっ、五月蠅い!」
そっぽを向いて、
少し前へ、早歩きをした。
詠人は私にすぐに追いつくと
「待ちなって」
そう言って私の肩を抱いた。