この手で紡ぐ神の欠片
「ちょ、離せっ」
私は反射的に
彼の手を払った。
「うわ、ひでぇ」
詠人はわざとらしく
傷付いた顔をした。
「…お触り禁止か」
詠人が一人で頷いた。
「黙りなさい」
私は一蹴した。
しばらく詠人は黙って
私の隣を歩いていたが
突然くっくっくと笑い出した。
「何?」
「いや、」
詠人が口元を隠した。
「可愛いなぁ、って」
「………変態」
「ヒドいなぁ」
「マゾヒスト」
「いやどっちかっつったらサディ―――」
「黙れ」