素顔の先輩と甘い休息
「この前、翠央が葛城の話をしてたこと思い出して、嫌な予感がしたから、1階から隈無く探してた…。でも、どこにもいなくて焦ってたところで、ここに居るのを見つけたってわけ…。」


それじゃあ、かなり時間かけて探してもらってたんだ…。


「すいません…。め…迷惑たくさん掛けちゃって…。」


「迷惑なら、翠央を探し回ったりしねぇよ。お前だから…心配でたまらなくて探してたんだし…。」


先輩は私の顔が見られるように抱きしめる腕の力を少し緩める。


「無事で良かった…。泣かせちまったけどな…。」


先輩は頬に残っていた涙の痕を指で、そっと拭ってくれた。



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