あたしの秘密
「…う゛ー……」
紗耶香は声にならない声を出して俺のシャツを掴む。
やべ……めっちゃ可愛い。
とか和んでたのに…。
「菅原にキスされた……。気持ち悪い……」
その言葉を聞いた瞬間、眉間に皺がよる。
「拭っても拭っても……嫌な感触が残ってるの」
そんなことを言われたら冷静でなんかいられない。
「消毒してやるから、顔上げろ」
言葉も荒くなってしまう。
何故こんなにも、紗耶香のことになると冷静になれないのだろう。