魔女のカウントダウン☆

『める、大丈夫!?』

続いて、歩夢と加奈も走り寄ってくる。

『うん、大丈夫みたい…』
あたしは、そう答えたけど、男がゴーグルの中から、じっと自分を見ているような気がして目が離せなかった。
『あの…助けて頂いて有り難うございます』
美紀が男に振り返る。
同時に男は、子供を優しく下に降ろした。

『有り難う、お兄ちゃん』
手を振りながら、滑り降りて行く子供

その時


『貴方、もしかして幸也君!?』

美紀の声が訊こえた。

『えっ!?』

目の前で風船を割られたような衝撃が走る。

『・・・・・』

美紀の質問に男は何も答えなかった。

何も答えず背を向ける。やがて、板を谷側に向けて滑り出した。

真っ白なスキーウェアーの背中が段々と小さくなって行く。
(まさか…本当に、幸也なの?)
心で問いかけながらも、呆然と眺める事しか出来ないあたし・・・


その時


『間違いないよ、める あれは幸也君だよ』


確信を深めた美紀が、呟いた。



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