ニオイスミレ



あまりにも綺麗でスラッとした後ろ姿に見とれていて、声をかけられるまで気付けなかった。





「おい、突っ立て何してんだよ」



椅子をくるりと回して、こちらを見た。



なぜか、身体中に電気がはしった感じがした。




襟足ぐらい長い髪、魅力で切れ長な目、スラッと高い鼻、男らしい喉仏、こんなの反則だ…。





目を背け、見ないようにした。


…吸い込まれそうになるから。




< 11 / 20 >

この作品をシェア

pagetop