COLORS【黄】Yellow Card 学園★注意報
アイツが来てから一週間、緊張の連続で生きた心地がしない。

この世に神様、貴方がおりますのならどうか元の平和な世界にしてください。

「何をお願いしているの?」

「ギャ~」

もう、アンタはエスパーか。何で私の行くところ行くところに現れるのよ?

って、隣の席か……足音くらいたててよね?

一睨みだけを彼に投げつけた。

「酷いなぁ、俺たち一緒に風呂に入った中だろう?」

黙ったまま、首を横に大きく振る。

そ、そんなの子供の頃の話でしょ? 周りの人が聞いたら誤解するじゃない!!

「俺は甘奈の白い肌忘れてないけどなぁ」

だから、そのイヤラシイ言い方止めてよ!! しかも、いつの間にか呼び捨てだし。

「お願いがあるの」

「何?」

「私の周りに現れないで頂戴!!」

「それは無理かな、席は隣だし」

「じゃ、授業中以外は現れないで」

「そんな事言っていいのかなぁ? ま、甘奈は絶対に俺を必要とするけどね」

何なのよ!! 何処からそんな自信タップリな感じが出てくるの?

あぁ、私が恋した皇子様は何処に……

静かに去って行った彼の後から今度は黒いオーラを放ちながら近づいてくる団体。

毎度のことながら、ウンザリするわ。香帆たちが来る理由は大体察しているけどね。

「カンナ、アンタ最近生意気度があがったんじゃない?」

「それは、それはお褒めの言葉ありがとうございます」

「空野くんに近づかないでよ!?」

「私もさ、今彼にそう言ったところなの。そんな事私に言わないで直接ヒカルにいったら?」

一瞬笑顔が広がったと思ったら、また怒りの形相に変わっていた。

貴女も忙しい人ね

「な、なんで名前呼び捨てなわけ!?」

えっ? そんな事で怒り?

「私たち、幼――」

「俺たち、付き合っているから。何か文句でもある?」

幼馴染だからそう言おうと思った言葉を、また戻ってきたヒカルの言葉にかき消された。

香帆たちは、ワナワナ震えている。

その様子が可笑しくて、ヒカルの言った意味を理解するのに時間がかかった。



< 6 / 17 >

この作品をシェア

pagetop