探偵学園Q
何故いま自分は此処に立っているのか。
何故普通に正気でいられるのか。



「Qクラス、やめるんじゃなかったのか」

「…冥王星が関わる事件なら僕が解決しなきゃいけない」



キンタの声が耳から外へと素通りして行く。それでもそれなりの会話として返答できている自分に嫌みを言いたい衝動にかられた。

あの場所から握りしめたままの手紙はくしゃくしゃのごみ屑と化していたけれど、今の僕にはだからどうしようと考えることすらできない。



目の前のことがスローモーションのように鈍く苛々させた。





「リュウ!捜査するならいっしょに…っ」

「…僕は一人で大丈夫だ。誰の手も借りない」



借りることは許されないのだから。


僕はキュウの制止の言葉を背に、その場を去った。



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