さよなら、もう一人のわたし （修正前）
　少なくとも伯父さんの話ではそんな感じではなかった気がした。

「いや。この話はいいか」

　彼は自分で会話を打ち切った。

「何か聞きたいことあるなら聞いていいよ。あいつには聞けないかもしれないから」

　なんとなく千春の話題を持ち出しにくかった。

　何か差し障りのない話題はないだろうか。

　あたしは必死に考えを巡らせる。

　しかし、男の友達など多くない。どんな話をしたら男の人が乗ってくるのか分からなかった。

　女の子同士でする会話ってなにがあるだろう。女の子同士で一番盛り上がるのはやっぱり恋愛の話だろう。

　これだ、とそのときのあたしはそう思ったのだ。

　後から考えたらこのときのあたしはものすごく混乱していたのだろう。

「尚志さんは恋人っていますか？」

　彼は目を見開いてあたしを見ていた。

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