さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 あたしは机に顔を伏せる。

「考えることばっかりでパンクしそう」

「いいんじゃない? 頭は使えるときに使ったほうがさ」

「そうなのかな」

 できれば悩み事なんてないほうがいい。

「きっと悩めば悩むほど、いい答えが見つかると思うから」

 でも、あたしの心は決まりつつあったのかもしれない。

 朝、目覚めて彼がいない。

 電話もできない。

 そんなことに気づき、悲しみを覚える。

 でも、あたしは、離れることで、彼と一緒の日々を遅れるのだろうか。

 その答えだけは分からない。

 尚志さんの話はそれを拒否しているように思えた。
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