さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 春までは母親とここに住み、その間に尚志さんは新しい家を探すようにしたようだった。

 今の家には二人で住めないかららしい。それに部屋も二部屋はあったほうがいいからということだった。

 あたしは残された日々を母親と過ごすことにした。

 父親はあたしには何も言ってこなかったが、尚志さんには案の定、いろいろと言っていたようだった。

 丸くなったといっても、そんなところは案外何も変わらないのかもしれない。

 結局大学は受験しないことになり、春の訪れの前にあたしは家を出た。

 彼との新しい住まいは古いアパートでも借りる予定だったのだけど、それに反対したのがあたしの父親だった。

 セキュリティがどうこうと文句をつけてきたらしい。

 一人暮らしでもないし、あまりたいした問題ではないと思っていたが、彼にとってはそうではなかったようだ。

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