天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「貴様!」

女はカイオウを憎々しく睨み、

「だったら!どうだ!」

周りの人間もどきに、カイオウを指差して見せた。

すると、人間もどきの姿が変わった。

刀を持ったカイオウの姿に。

「コロコロと姿を変える。その己のなさが、貴様達が生きる存在としての意味をなくしておることに、気付かんか…」

カイオウは、ため息をついた。

「やれ!」

女の命令に、一斉に斬りかかるカイオウもどき達。その速さは、神速。

「やれやれ…」

カイオウは軽く肩をすくめてから、剣を振るった。

「な!」

絶句する女の目の前で、細切れになり、燃え尽きる…カイオウもどきの姿が映った。

「確かに、速い」

カイオウは再び、刀の血を拭い、

「しかし…我よりはほんの少し遅い。そんな僅かな差が、命取りになる。さらに、速さだけで…刀に重みがない。それに、攻撃が単純だ。経験がないものに、深みはない」

次々にダメ出しをするカイオウに、女はヒステリックにこたえた。

「うるさい!」

眉間に皺を寄せながら、

「そんなもの!数の原理でぶっ潰してやるわ」

人間もどきに命じた。

「行け!」

その声は、九州中にいる人間もどきに一瞬で伝わった。

ぞろぞろと移動し、近くにいたものから、カイオウに襲いかかろうとした時…男だけが別の方向を見ていた。

「あ、あ、あ、あ」

興奮したように、天に両手を上げる男の様子に気付き、女も空を見上げた。

「フッ…」

カイオウは顔を伏せ、目を瞑り…刀を下ろした。

「真打ち登場か…」

そう呟くように言うと、顔を上げてから、軽く頭を下げた。

すると、カイオウは空間に混ざるように消えた。

「くっ!」

女は、顔をしかめた。もうカイオウのことなど、どうでもよくなっていた。

「あ、あ、あ、あ」

「アルテミア!!」

女は絶叫した。

雲の切れ間から、六枚の翼を広げた天使が舞い降りて来た。

「赤星」

アルテミアは気を探ると、僕に言った。

「この土地に、人間はいない!一気に殲滅するぞ」

アルテミアの周りを、回転する2つの物体が飛び回る。それらを掴むと、アルテミアは一つにした。
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