天空のエトランゼ〜赤の王編〜
中西の顔に、笑顔が広がる。

「やはり…お前は気付いたか!我の正体を!!」

天を仰ぎ、嬉しそうに叫んだ。

「そうだ!我だ!神話の時を越え、やっと巡り会えた」


「女神だと…」

香坂は中西を睨んだ。

「男なのに、女神だなんて…」

さやかは、中西の全身を下から上まで目で確認した。

「簡単なことだ!」

中西は、九鬼に向って歩き出す。

「お前が、女として転生したからだ!」

そして、九鬼に手を伸ばす。

「だから、男になった。だけど!お前が望むならば、女になって愛してやるぞ」

中西の髪が伸び、九鬼と同じ髪型になる。

そして、顔の輪郭…骨格も変化して、まったく違う顔になっていく。

「すべては、お前の為だ」



その時、中西の後ろ…中庭の茂みの中から、何かが飛び出して来た。

「貰った!」

ブラックカードを使い、風と纏ったカレンが、ピュア・ハートを突き出して、突進してきたのだ。

「喰らえ!ピュア・ハート!」

後頭部から額を貫いて、針のように細い刀身が飛び出した。

前にいた九鬼の目に、額から血が噴き出す中西の顔が映った。

薄らと冷笑を浮かべて…。
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