天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「理香子!きいて!」

「昨日は、逃がしたけど!」

まだ学校が始まらない早朝。


あたしと九鬼は、戦っていた。

いや、九鬼は防戦にまわっていた。

乙女プラチナとなったあたしを説得しょうとしているが、無駄だった。

「く、くそ!」

仕方なく乙女ブラックになった九鬼を見て、さらにあたしはキレた。

「その力で!中島を!」

乙女プラチナの渾身の一撃が、乙女ブラックをふっ飛ばした。

「返してもらおうか」

地面を転がった九鬼は、乙女プラチナを見て、唖然となった。

「理香子?」

様子が違った。

凍りつくような冷たい視線が、九鬼を射抜いた。

針のように、鋭く尖ったものが胸から…心臓を貫き、背中から出ていった。

それは、物理的な攻撃ではなかったが、九鬼の動きを完全に止めた。

次の瞬間、黒い乙女ケースは…乙女プラチナの手にあった。

「終わりだ」

動けない九鬼に、向かって拳を握り締めながら、近付いてくる乙女プラチナ。

変身が解け、生身の状態に戻った九鬼に、再び乙女プラチナの攻撃を喰らえば…確実に死ぬ。

「中島の痛みを思い知れ!」

乙女プラチナは、中島がやられたように、拳で体を貫こうをする。

「理香子!」

その時、2人に向かって、里奈達が走って来た。

「装着!」

一斉に変身し、スピードを増したが、乙女プラチナの拳を止めることはできない。

「駄目!間に合わない!」

全力で走りながら夏希が嘆くと、一番後ろを走る蒔絵が軽く舌打ちした。

「仲間内で、揉めるんじやねえよ!」

乙女グリーンである蒔絵の眼鏡が光り、光線が放たれた。

光の速さで、乙女プラチナの横腹に当たった。

「な!」

攻撃を受け、乙女プラチナの体が揺らいだ。

「今だ!」

乙女プラチナが体勢を立て直す前に、乙女レッドと乙女ブルー、乙女ピンクが九鬼の前に立った。


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