天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「止めて下さい!理香子様!」

乙女ピンクである桃子が、必死に懇願したが…乙女プラチナは鼻で笑った。

乙女グリーンの光線にも、まったくダメージを受けていない。

「九鬼!逃げて!早く!」

乙女レッドである里奈が、何とか立ち上がった九鬼に叫んだ。

「あたし達が、時間を稼ぐから」

乙女ブルーの夏希が、乙女プラチナに向かって構えた。

それを見て、乙女プラチナは笑った。

「笑止!」

そして、右手を突きだすと、指を広げた。

次の瞬間、里奈達の変身が解けた。

「な…」

絶句する里奈。

「そ、そんな…」

変身が解けた意味がわからない夏希は、おろおろと自分の姿を何度も確かめた。

「り…り、理香子様なの?」

理香子信者である桃子には、目の前に立つ乙女プラチナが、理香子には思えなかった。

「我に…糾なすとはな!」

乙女プラチナは、里奈達を睨み、

「殺されなくなければ…そこをどけ!」

凄まじいプレッシャーを与えた。

里奈達は、動けなくなった。

「今は…そいつを殺すことが、最優先だ」

乙女プラチナは、里奈達の間を通り、九鬼へと真っ直ぐに向かう。

「り、理香子…」

九鬼は近付いてくる乙女プラチナを見て、顔をしかめ目を瞑った後、覚悟を決めた。

かっと目を見開き、乙女プラチナに向かって構えた。

このまま…誤解で、死ぬ訳にはいかない。

「馬鹿か!貴様は?」

構えた九鬼の前に、乙女グリーンが立った。

「敵う訳がないだろが!」

乙女グリーンは、乙女ケースを突きだし、

「時間を稼ぐ!その間に逃げろ!」

「馬鹿目!」

乙女プラチナが、また手を向けようとした。しかし、余裕からか…動きが遅い。

「兵装!」

手のひらを開くまでのほんの数秒に、乙女グリーン蒔絵はかけた。

二本の砲台を肩につけた姿になった乙女グリーンは、眼鏡のビームとともに、次々に光線を発射した。

「行け!九鬼!」

乙女グリーンが、絶叫した。
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