天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「何やってんだか…」

蜂に似た魔物達の死骸が転がる中で、ジャスティンはため息をついた。

回復魔法を使った後、魔力を回収したが…虚しさは、消えなかった。

「何やってるんだ?」

階段から、クラークが姿を見せた。

同じ言葉をかけられ、ジャスティンは肩をすくめた。

「さあ〜」

その返事に、クラークはため息をつくと、通路の奥に目をやった。

「さっきの男は?」

「奥に行ったよ」

「そうか…」

クラークは目を細め、

「俺達もいくぞ」

奥へと歩き出そうとした。

「行かせませんよ」

突然、後ろから声がした。

「!?」

驚き、振り返ったクラークの目に、信じられない姿が映った。

「な〜んだ。倒してなかったのか」

ジャスティンは指を鳴らすと、通路に現れた魔物の前に立った。

「馬鹿な!確かに倒したはずだ!」

クラークは驚きながらも、長剣を抜いた。

「よくも、弟を!」

現れた魔物は、ギナムそっくりだった。いや、同じ個体といってもいいかもしれなかった。

「弟!?」

ジャスティンとクラークが、思わず同じ言葉を口にした瞬間、ギナムは翼を広げた。

「くらえ!」

すると、紫の羽毛が2人に向かって飛んできた。

「くそ!」

ジャスティンは、通路の壁に向かって飛んだ。そして、壁を蹴ると、ギナムの死角から膝蹴りを叩き込んだ。

「きええ!」

ギナムは後ろに飛ぶと、ジャスティンの攻撃を避けた。

「当たるものか!」

ギナムは飛びながら、翼から羽毛を放ったが、ジャスティンは着地と同時に、移動していた。

「弟の敵!」

両手両足の爪が、猛禽類を思わす程に鋭さを増した。

「死ね!」

ジャスティンに飛びかかろうとした時、階段から誰かが飛び出してきた。

真後ろからの蹴りをくらって、ギナムは顔から床に激突した。

「先輩!」

通路に現れたのは、不動との戦いで、ボロボロになったティアナだった。
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