天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「よ、よくも!お母様を!」

シャイニングソードで消したはずの炎が再び、燃え上がる。

その炎は凄まじく、一気に周囲の温度が上がった。

「チッ」

最後まで、ことの成り行きを見ていたかった幾多は、生命の危機を感じて、後ろに下がった。

「く!」

九鬼は何とか、回復して立ち上がると、熱気から逃れる為に、歩き出した。


「ここまでか…」

アルテミアは、浩也の体を見て、シャイニングソードを握り締めた。

そして、斬る為に振り向こうとすると、勝手にシャイニングソードが分離した。

「何!?」

アルテミアは、自らの手から離れたチェンジ・ザ・ハートに驚いた。

慌てて、腕を伸ばし掴もうとしたが…アルテミアは固まった。

チェンジ・ザ・ハートは、浩也とアルテミアの間で一つになると、姿を変えた。

「フ、フレア…」

アルテミアは、フレアの背中を見つめながら、ゆっくりと腕を下ろした。

「お、お母様!?」

フレアの出現に一番驚いたのは、浩也だった。

どんどんと温度が上がっていく浩也に、フレアは微笑むとそのまま…ゆっくりと近付き、炎に包まれた体を抱き締めた。

「お母様!」

抱き締め合う2人。

そのことによって平穏を取り戻したのか…浩也の炎が消えていく。

その様子を見ていたアルテミアは、無言で背を向けると、森の中に消えていった。

すると、浩也に抱き締められていたフレアが、チェンジ・ザ・ハートに戻り分離すると、どこかに消えていた。

「お母様!」

その変化を間近で見た浩也は、フレアの言葉を思い出していた。

(あたしは、あなたの武器です)

その意味を、浩也は初めて目の当たりにした。



「…」

戦いの終わりを感じ取り、足を止めて振り返った九鬼は、目を見開いた。

そして、彼女もまた…フレアからチェンジ・ザ・ハートに変わる瞬間を目撃して、何も言えなくなっていた。


こうして…2日目が始まった。
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