姪は叔父さんに恋してる


ひとつ言えるのは、それがたまらなく不快だということ。

仮に、叔父さんが私に何かを隠しているなら…それは、やましいことなんだろうか?

どうしても知られたくないことなんだろうか?


…そうだとしたら、もっと不愉快だ。


独占欲が強まってる時にこういうことは思いたくないけど、思ったからには仕方ない。

…何がなんでも、叔父さんの全てが知りたい。

そう望んでしまう。


質問攻めは得意だ。
先輩にしたように、叔父さんにもたくさん訊いてみよう。

私に隠していることを全て。



こういう女の子が好まれないのは知ってるけど、叔父さんの秘め事を知るほうが大事だ。

日曜日に会う予定の叔父さんを思い浮かべて、私はキリッと目付きを強めた。

次の瞬間には、とろんと目尻が下がってしまうのだけど。


今の私の思考から、気にしていた華実先輩の存在は綺麗に消え去っていた。


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