白兎物語
それぞれの旅立ち
寝ているウサ美とゴランを見下ろすウサ太郎の背後から怪しい影が近づいて来ていた。

バサッバサッ!

突然何かが羽ばたくような音がした。その音に気付き、慌てて振り向くウサ太郎。

ウサ太郎「!!」

そこには白と黒の2頭のペガサスが、寝かされているウサ吉たちの上をぐるぐると旋回していた。

ウサ太郎「何だこれは?」

予想外の光景に誰に言うでもなく思わず驚きの言葉が口に出る。

2頭のペガサスは旋回のスピードを上げながらどんどん上昇してゆき、ついには雲の中に消えていった。すると次の瞬間、雲が割れキラキラとした黄金の光が差し込み4匹を照らした。

ウサ太郎は固まったまま声も無く、ただじっとその光景を見ている。

やがて光は消え、雲間から何かが現れようとしていた。

ウサ太郎「次は何だ?」

見ると手に杖を持ち、長く白い髪に立派な髭を携えた、純白の衣に身を包んだ老人が降りてきた。

ウサ太郎「あの…あなたは?」

その問い掛けに老人は意外に甲高い声で答えた。

神「ご存知わたしが神だよん。エリスちゃんに言われてこの4匹を生き返らせに来たよ〜。生き返る光線的なやつ当てといたからじきに起きるんじゃない?」

ウサ太郎「…」

老人のあまりの軽さに言葉も出ないウサ太郎。すると神と名乗る老人は、また雲の方へ上昇しだした。

神「じゃ〜ね〜。また何かあったらエリスちゃんに言っといてね。まいど!」

そう言って自称神は消えていった。
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