先生の青




戸惑う絆を引っ張って
屋上に出た



緑色のフェンスを掴み
広がる景色を見つめ


「あー、すっきりしたぁ」
って言った



「い、市花。いいの?
笹森くん」


「いいのも何も
私、笹森くんのこと
何とも思わないし」



見上げた空は
どこまでも高い



絆は何も言わず
フェンスに寄りかかった



 キーンコーンカーンコーン



予鈴が鳴り響いたけど


「次、サボっちゃおうか」


私の提案に
絆は笑ってうなずいた



「ねぇ、絆」


「ん~?」


「30こ上のダーリンは元気?」


絆は ふふって笑って
ダーリンじゃないしって呟き



「元気だと思うよ?
夏休みに会ってから
一度も連絡してないけど」




絆のダーリンは頑なだな
年の差ってやっぱり
そんなに大きいのかな?



絆は寂しげな表情で


「本当は、
もっと連絡したいけど
あまり近づき過ぎると
彼は苦しいみたいだから」



風が強く吹いて
絆の髪を乱した


「仕方ないね
30も下だもん
向こうはどうしても
いろいろ考えるだろうし
好きだけじゃ片付けられない
問題もあるもんね」




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