先生の青




お風呂上がり着た
グレーのスウェットは
先生の匂いがする


それが全然イヤじゃないから
不思議だ




私の後 先生もお風呂に入って



食欲がないと言う私に
無理やり
冷凍食品のグラタンを
温めて渡した



「美味いから食えって」


先生がお風呂に入ってる間
私が片付けた
リビングのテーブルで
湯気を上げるグラタン



先生は はふはふ言いながら
スプーンを口に運ぶ



ためらいながら
スプーンの先に
少しホワイトソースを付け
こわごわ舐めてみる



…………あれ


ちゃんと美味しい




ゆっくり でも ちゃんと
食べ始めた私を
先生は安心したように見た




食事を終えてから
ベッドを背もたれに
二人並んでテレビを見たり
漫画を読んだり



「明日、土曜日だし
ゆっくり出来ていいな」



先生が
漫画のページを捲りながら
独り言のように呟いた



「………先生」


「うん?」


「なんで……
私を探してくれたの?」



一番最初に聞くべき事を
今やっと聞けた



先生はゆっくり本を閉じ



「電話したから」


「電話?」


「イチの家に」


「なんで?」



先生は私の顔を
少し困ったように
笑って見つめた




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