戦国ライフ-もうひとつの空-

―――――――…


忠平)「我が妹を拉致したふとどき者が、自ら我が元に参るとは、一体何用じゃ?」


「へぇ、思ったより早く治せるもんなんだな、城って。見てはいないが、そーとー無惨だったらしいじゃねぇか。いや~恐ろしいね、権力っていうのは。」


忠平)「愛する妹を迎えるのに、あのままでは酷いからの。当然ではないか。で?渡す気になったのだろ?妹はどこじゃ?」


「渡す?冗談だろ?アイツは絶対見つからない場所に隠している。例え、兄上様でもな。」


忠平)「フフ。無知というのは恐ろしいの~。早川の姫が、徳川に拐われ行方知らず…これはまさに徳川の陰謀ではあるまい。そう世間に広まれば、徳川を滅ぼすのも簡単であるな。」


「やはり知っていたんだな。言っちゃわりぃが、徳川は早川より格上でな。そんな小さな国に、アレは到底敵わねぇよ。権力への執念は誰にも負けないからな、親父達は。」


皮肉なもんだな。

徳川が嫌で、徳川を捨てたのに、
その俺の口から、そんな言葉が出るとは。


< 58 / 64 >

この作品をシェア

pagetop